「またもやミルクカップ」 ’99年4月16日
しし丸はついさっきまでワープロの前で寝ていたのです。
でも、眠りながら伸びをして前足で鉛筆立てを和風テーブルから落としてしまいました。
ひどい音がして、鉛筆立てにはいっていたサインペンやハサミや色々なものがバラバラと飛び散りました。
その音にびっくりしてしし丸は飛び起きました。
それから、しし丸はカラのミルクカップをはじいて遊び始めました。
もう12時近い時間です。
真夜中なのによく遊んでいるなと思っていたら、急に「フニャーッ!」という鳴き声が聞こえました。
見ると、電気ピアノの前でしきりに何かを訴えようとしています。
またミルクカップが電気ピアノの下にはいってしまったようなのです。
猫じゃらしの棒でかき出そうとしましたが、狭い上に暗くて埃っぽいので見つかりません。
私はすぐにあきらめてしまうと、その辺にころがっていた別のカップをひろって来てしし丸の前に置きました。
そして、「さあ、これで遊びなさい」と言いました。
しし丸は首を傾けてちょっと考えているふうでしたが、私はめんどうだったのでさっさとパソコンの前に戻ってしまいました。
メールの文章を打ち込みながら、ふと見ると、しし丸は短い前足をピアノの下に伸ばしてまたミルクカップ捜しをしていました。
これには私も根負けしてしまって、ピアノの前に行くと床に頬をくっつけて本気でミルクカップを捜しました。
でも、それでやっと見つけたカップは、見たところではさっきしし丸にやったのとたいして変わらない古いカップでした。
それでも、違いがわかるしし丸は喜んでそのカップで遊び始めたのです。